PRESIDENT BLOG

2023.05.15 シュンビンのこと

クリエイティブ

シュンビンはクリエイティブな会社だとよく言われます。クリエイティブという言葉もぼやっとした言葉ですね。言葉を不用意に使うのでなく、それをしっかり、自分なりに定義つけるということが大切です。そこで、今回は、このクリエイティブという言葉を深堀したいと思います。

私は、人間は、宇宙の進化と向上に寄与する為に生まれてきたと思っています。進化と向上というのは、絶え間ない創造活動だと思っていて、これは常に現状を否定し変化していくものだと思っています。なので、会社だけでなく、人間も、クリエイティブでないといけないというのが基本的な考え方です。

とはいえ、これでもぼんやりしていますよね。企業活動というのは数字で示せないといけません。そういう意味で、このクリエイティブは、企業の数字のどの部分かというと付加価値だと思っています。

付加価値とは何か?簡単に言うと、売上から仕入、外注費、運送費を引いた数字だと思ってください。これは色々な取り方があります。例えば、財務的な収支もいれる計算もありますし、日銀などの計算は営業キャッシュフロー的な計算をします。でも、ややこしいので、私はそう捉えています。

では、この付加価値を上げるには、どうするか?売上を上げるか?仕入・外注費・運賃を下げるか?なのですが、これは一つの会社で見た場合ですよね。もちろん、それは大切なことなんですが、大きく、国単位、世界単位で見ると、新しい価値を生み出し、それによって全体として付加価値が大きくなるこれがクリエイティブということです。

なので、単純に値引きして、一時、自分たちの付加価値が上がったとしても、それは全体として付加価値が上がったわけではありません。シュンビンがクリエイティブというのは新しい価値を生み出し、そのことで付加価値を上げるそれを自社だけでなく、顧客にも支援し促しているからです。

国の経済力を示す指標としてGDP(国内総生産)というのがあります。これは、国内で算出された付加価値のことでまさしく、私が言った企業活動の付加価値と同じです。日本は世界で3位ですが、この30年、成長してなくて、他の国に一人当たりGDPではどんどん抜かれていっています。なぜなのか?それは、変化を起こし、付加価値を全体としては上げれていないということだと思います。

成長期にあれば、そこまでクリエイティブでなくとも、人口増で付加価値は増えるのですが、日本はそういう状況でもないので・・
日本人の給与が増えていないと、物価が値上がりと苦しくなると今になって報道されているのですが、考えてみれば当たり前で、給与というのは、この付加価値から配分されて支払われるものだからです。労働分配率という指標は、この付加価値からでる人件費の割合を示したものです。メーカーは50%、メーカー以外は60%に抑えないと経営としてはよくないと言われています。

GDPが増えていないというのは、逆から考えると、社員の給与を上げなくてよいとなってきていることが原因かもしれまえん。第二次世界大戦後の年齢構造なら、ピラミッド型なので毎年、給与を上げないといけないわけじゃないですか?経営トップも無意識にそうしていたはずです。ところが、今のような年齢構造になると、退職する人と、入社する人が同じになるということが起こります。そうしたら、若い人は給与を上げていても、退職する人もいるので、人件費の総合計は変わらないじゃないですか?だから、人件費を上げなくてよいので、リスクを負ったチャレンジをしないのかなと・・

シュンビンは、完全に成長期の人員構造です。これは必ず、給与を上げないといけない構造です。なので、チャレンジし、クリエイティブを志向するのも社員の給与を絶対に上げないといけないという責任感からかもしれません。もし、全体として給与を増やさなくて、よいなら、正直、私も、もう少し保守的になっているかもしれないです。元々は怖がりなので・・

でも、この状態になることは、14年前に人事考課システムをKCCSの講習で勉強し、入れるときに、もう覚悟していました。人件費が下がることはない、付加価値を上げるしかないということは。

でも、こういう状況に置かれたことで、シュンビンがよりクリエイティブを求めていく方向にいったことは、プレッシャーでもありましたが、経営者の私としても恐らく社員としても幸運であったのではないかなと思っています。