PRESIDENT BLOG
経営学でカリスマ的リーダーシップというのが定義されているようですね。「現状からかけ離れたビジョンを創造し、それを社員に伝え、信念をもって自己犠牲を恐れずに自らそれを推し進めると同時に社員にも、そのビジョンにコミットしてもらうよう求める」というようなことです。少しわかりやすく言葉は変えています。
もし、これが、定義なら、イノベーティブな事業は、カリスマ的リーダーシップが必要と言えると思いますね。しかし、このカリスマ的リーダーシップは持って生まれたものではないと思います。その本でも書かれていましたが、それを実現する原動力は社員からの信頼です。
シュンビンを例に自分の経験で考えてみます。シュンビンは私が社長になってから大きな変化を4段階でしてきていると思います。
1.びんの洗浄会社からオリジナルびんの会社へ
2.オリジナルびんの会社から商品企画デザインの会社へ
3.商品企画デザインから中小企業の企画部を代行する(ブランディング)の会社へ
4.中小企業の企画部を代行する会社をさらに確立する(イノベーティブな新規事業支援)の会社へ
4は、現在進行中です。
社員の方にとっては、みな大変だと思うのですが、私にとっては、2と4は1と3の延長でもあるので、経営者として、かなり大きな賭けだったと思うのは1と3ですね。
1は、社長になってすぐのときでもあり、父の死後、役員の方々が皆ストレスからか病気で辞めて
いかれたという状況ですので、今から思えばですが、特殊事情だったんだなと思います。つまり、状況があまりにもひどいので、社員にすれば社長を信じるしかないという状況だったのかなと思います。
でも、やりはじめたことが、少しづつですが成果がではじめたというのもあるとは思います。実は当時は成果以上に経費も使っていたのですが、そこは私の腹の中でおさめていたので。このときのガムシャラな行動は、4~5年続きましたかね。
次が3ですが、このときは、会社としても商品企画の会社として、非常にうまくいっていました。
組織というのは不思議ですね。危機の時はいいのですが、うまくいっているときに現状を変えようとするというのは、非常に組織のなかでストレスがあるようです。
特に、2から3への動きは、本当に難しかったので、いつしか、自分も組織のなかで孤立していったような気がします。その本でも書かれていますが、現状変更は必ず組織的なストレスを引き起こします。
この3も3~4年かかったと思いますが、最終的にうまくいったのは、やはり社員が私を信じてくれたということが生命線だったと思います。それも今思えばですが、1、2の実績による信頼の貯金というのがあったからかもしれません。その貯金がもってくれたと思います。また、「こいつは自分の為にやっているんではないだろう」という、日頃からの振る舞いや判断というのもあるのかもしれません。
私の例でみてみましたが、このように新規事業、特にイノベーティブなリーダーシップは組織にストレスを及ぼし、それを突破するのは、カリスマ的リーダーシップであると思いますし、それを支えるのは、社員とそのリーダーとの信頼関係だと思います。
シュンビンにも、新規事業の相談の引き合いも多くなっていますが、その辺のストレスのかかり方の注意点や、社員との信頼関係の大切さなども経験や学術的なこともふまえてお客様に伝えていくことでお手伝いができたらうれしく思います。