PRESIDENT BLOG

2024.07.08 その他

祖父のこと

上場セレモニーで東京証券取引所に以前のブログでもお話しした和樽の製造業時代の法被を着ていきました。去年末に母が亡くなって、蔵を掃除して105年前の法被が新品同様に残っていたというのも不思議ですが、ちゃんと鐘を鳴らす人数分があったというのも不思議です。

ですが、それだけではないんです。その法被と同時に、創業時の帳面がでてきたのですが、その中に、私が、2歳~3歳のときの祖父の予定帳がはいっていたらしいです。

らしいですというのは、私は、帳面がはいっていた木の箱を実家の蔵から会社に持ってきました。それで、蔵を整理する時、本当に色々なものがあり、掃除するにも大変だったというのもあるんですが、祖父や父の予定帳がたくさんあったのですが、さらっと中身をみて、全部捨てたんです。

ですからたまたま、その2年分の祖父の予定帳が、なぜか予定帳のかたまりと別に、その大正8年の創業時の会社の帳面がはいっている木箱の中にあったということなんです。創業が1919年で、予定帳は、1968年と1969年で、全く時期が違うので、本当に不思議です。

それで、上場セレモニーの東京からの帰りの新幹線で、社員の方から「社長の小さい頃のことが書かれていましたよ」と聞き、家内が読んでみたいということで、それを家に持って帰って、自分もじっくり読んでみたのですが、それを読んで思わず泣いてしまいました。

祖父がいかに自分を愛してくれたか、それが文面からにじみ出ていました。祖父にとって自分は、もっとも大事なものだったんだなと思いました。

「元英が風邪をひいて、見てられない」
「元英と一緒に焚火をした」
「元英が階段から落ちた」
「元英がお土産を買っていって喜んだ」
「はじめて、元英と一緒に寝た」とか。

それで、ほぼ毎週、会社や神社に連れて行っていました。私にとっては、記憶にないんですが、祖父が後継者として自分に特別な想いをもっているということだけは幼心で感じていました。ある時期には、それが重荷だったこともありますが・・。

同時に、祖父が会社に命を懸けていたんだなというのも改めてわかりました。それを継がしていただいたんだなと思いました。

家内が言っていました。「これは英才教育だね」と。そうかもしれません。記憶にはないんですが、私の潜在意識に祖父の18歳で起業してから67歳(私が2歳の祖父の年齢)までの経営者としての49年間のすべてを2~3歳の私に注ぎ込まれていたのかもしれないなと思います。

私は、人間は、目に見える存在だけでなく、宇宙創造からの気が実在して、それは不変であるということまでは信じているんです。ですが、個別の霊とかは、もうひとつ、信じてないんですね。というか、ここは祖父に似ているのかもしれませんが、自力主義なので、信じたくないのかもしれません。

でも、今回、このような奇跡ともいえる出来事があって少し、そういうこともあるのかもなと思うようになりました。かといって、何かに頼ろうとは思ってないのですが・・

ただ、感謝です。祖父の愛に、ただただ感謝の念が湧いてきます。そして、それは、これからの自分の力になると思います。