PRESIDENT BLOG
今日は、インナーブランディングについてわかりやすく考え方をお話ししたいと思います。その前にブランディング全般について簡潔にお話しすると、ブランディングとは理想を掲げそれを現実化する行為と思ってください。
マーケティング志向なので、こうありたいということでなく、こう思われたいということになっていますが、その思われたいという対象は、顧客ということ、これが一般的な外向きのブランディングです。
しかし、その外向きのブランディングを実行する中で、顧客との接点になっている社員が、その理想と違っている言葉や振る舞いをすると、顧客は、混乱し、その会社を信じなくなります。
なので、まず、社員とベクトルを合わせる必要がでてきた。これがインナーブランディングが重要と言われるようになった背景です。
その上で、ベクトルとは2つあります。一つは、方向性です。もう一つは、考え方です。方向性は、ミッションとかビジョンで、考え方はバリューとか行動指針です。どちらも、社内として自分たちはこうありたいという理想で、今できてなくても、そこに向かうよということだと理解してください。
それで、私がよくクライアントにわかりやすくするためにお話しするのは、見える化、自分事化、行動化ですが、でも、この自分事化は、見える化の段階、行動化の段階でも、含まれています。つまり、自分事化を設計、行動化を運用とすると、設計フェーズで社員に参加いただくことで、自分事化していきますし、運用でもいかに社員に参加していただくか?ということが重要なので正確に言うと、設計と運用フェーズで自分事化をいかに組み込むかということだと思います。
設計段階では、いわゆる、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)などを決めると同時に、人間は、情緒的なので、ビジュアルのアイデンティティもしていきます。つまり、見た目を理想と矛盾がなくしていくということ、人間は言語情報以外の印象で情報を受け取るのでこういうことが必要です。
運用段階では、いかに、その決めた理想を自分事化して行動に移せるかを、接点を多くして、やっていくことになります。このときに大事なのは、人や環境に合わせない、理想に合わせるということです。
例えば、環境も、このような状況だから仕方ないよねという困難があると、必ずそういう誘惑がでてきます。このときに自分の意志を曲げてしまうと、それで一貫性が失われて、誰も理想を信じなくなります。人もそうです。社員に寄り添う気持ちは大事ですが、だからといって理想を曲げてまで、ルール変更してしまうと、もうその理想は誰も信じません。
こう考えると、ブランディングは人生そのものかもしれません。自分が正しいと思うことを慎重に決め、その決めたことを、どのような誘惑や困難があっても、それに負けないで貫く、少しでもそれに近づこうと努力する。組織全体をそれに協力いただくようにベクトルを揃える。
繰り返しますが、ブランディングとは理想の現実化です。私たちが、ブランディングをすることが、絶対に自社の社員クライアントの社員の幸せに繋がると思うのは、理想をたて現実化のために努力すること自体が、人間にとっての幸せだと信じるからです。