PRESIDENT BLOG

2025.06.23 経営のこと

トップの価値観で治めていい

先日、試用期間中に3回無断で遅刻したことで、会社を辞めてもらったという社長がいました。それに対して、いや、もっと、遅刻をした人に向き合った方がいいんじゃないか?という意見もありました。これは、これで、もっともだとも思います。ただ、その辞めさせた社長を社員に向き合ってないとするのは少し気の毒かなと思いました。

私の尊敬する稲盛さんが、ある製造メーカーの経営者が『優秀な営業がいますが、自分勝手で、会社で営業をもっと行ってくれとトップが言ったら、「自分の自由も認めてくれと」と言って営業に行かないのですが、どうすればいいでしょうか?』という質問に対して「あなたは、優しい方で、自由を大切にし民主的に会社を治めようとするので、そういう罠にはまってしまう。それは単なるわがままです。そういう人が生きれる会社はろくでもない会社です。私なら、営業に行くように話して、それでも行かないから、とっとと辞めさせます」とおっしゃって、それに続いて「組織というのは、トップの価値観で治めていいんです。ただ、その価値観が世の中の正義に合わなければつぶれるだけです」とおっしゃったんです。

私は、昔に、それを聞いて、スッキリしました。自分の価値観でやっていいんだということで。それから考えると、遅刻の社員を辞めさせる社長も、それを辞めさせない社長も、どちらも、私はありだと思っています。

例えば、もう少し、わかりやすいように、少しプライベートで考えましょうか?若い時、お付き合いしている異性が、友達の異性と二人で一泊の旅行に行くことを許せますか?恐らく、許せるという人と許せないという人がいると思います。

でも、この価値観が合わないと苦しいじゃないですか?だって、その友達の異性と旅行に行った人は、悪いと思ってないわけですから。だから、それは、もう別れた方がいいと思うんですね。

その人と話し合って、どちらかに合わせるということもありだと思いますが、そういう性質は中々変わらないと思います。その基本的な価値観が違うまま結婚したら、さらに苦しむことにもなるかもしれません。

恋愛も、職業も、自由ですからね。価値観が合う同士でやった方がいいと思います。価値観が違う人を非難するわけでなく、それは、その価値観を認めてくれるところにいけばいいだけで、自分は自分の価値観で生きるということです。

性格は違ってもいいんですが、家庭や会社組織の価値観は違わない方がいいというのが私の意見です。家庭も、会社も一緒だと思います。家庭では以心伝心もあると思いますが、会社ではトップは、自分はこういう価値観で経営するということを堂々と言った方がいいと思います。

そして、それをブレないようにすべきです。ブレると社員が戸惑うわけですから。