PRESIDENT BLOG
「虚往実帰(きょおうじつき)」という言葉があります。これは、空海の言葉なんですが、確証がなくとも、失敗を恐れずに一歩を踏み出せば必ず得られるものがあるという意味です。
先日、ご相談に見えられた方が、飲食店の方なんですが「飲食店のコンサルをしたい」とおっしゃってられました。そのためにも、「もっと店を展開し大きくしないといけない」ということでした。私は、その方がコンサルするというのがいいかどうかはわからないですが、でも、やろうと思えば今からでもできるし、まずは、やりたいなら、やった方がいいんじゃないかなと思ったので、それを申し上げました。
実は、私自身もそうだったんです。2001年から社長になって衰退企業から商品企画デザインの会社になり、そこから中小企業の企画部を代行する会社になるという理想はあって完成形はイメージできていたんですが、でも、どういう順番でそれをしていけばいいかわからず、最初は、Webとかダイレクトマーケティングとか色々やってみたんですが、自分自身も専門でないので、うまくいかず、でも、まずは、もっと顧客の経営の中心に行った方がいと思ったので、経営コンサルを安くでさせていただくことを始めたんですよ。
それは、今までの積み上げた事業からすれば、本当に些細な売上だったんですが、その一歩がなかったら、今のようにはなってなかったということだけは事実です。実際は、経営コンサルではなく、今では経営コンサルとしてはやってないのですが、でも、どういう順番で理想に行き着くかをわかったのも、その経験は無駄ではありませんでした。
さらに、もっと遡ると、社長になってすぐ、まだ、新規事業で自分達だけでデザインしたびんを製造・販売するということも決めてない段階で、地元で20社しか取引がなかったときに武器もなく、地元以外に営業に行きたいと、当時の営業のおじさんや、亡くなった父と同世代の役員の方に相談したんですよ。仕方なく、皆が反対した中で自分一人で営業をしはじめたんですよ。
結果的にはその人たちの言う通り、数か月、それをしましたがなんにも成果はでませんでした。しかし、そのときに、自分達でデザインしたびんをすればいいんじゃないかという着想ができたんですよ。もし、あのときに営業に行ってなかったら、また、社員に行かしていたら、今はないかもしれません。
本当は、新しいことをするときは、イメージができていた方がいいとは思います。カラーでイメージできていれば、失敗もないでしょうね。でも、自分のイメージできることしかしないとなると、それでは、理想にたどり着けないと思います。我々のような凡人には。
まずは、自らが飛び込んで、そこで、失敗することで学ぶこともあるというのが自分の人生で経験してきたことで、空海も僭越ですが同じことを言っていただいているのかなと思います。
私経営して、24年ですが、そういう意味では上でお話ししたような二つ大きい山があったと思います。一つは、社長になって究極の衰退企業から、商品企画デザインの会社にした段階(2001年~2011年)。次は、商品企画デザインの会社から中小企業の企画部を代行する会社になった段階(2012年~2022年)。そして、現在、中小企業の企画部を代行する会社であると同時に、イノベーションを創造する会社になっていくことに、これから命を懸けてやっていきたいと思っています。
そして、それも、ブランディングの成功報酬ということを私自身が、まず飛び込んでやっていくことからはじめます。日本の中でも、このようなことを考えているのは、当社だけかなと思います。恐怖心もありますが、それ以上に、これが成功したらというワクワクの方が強いです。自分と社員を信じて、今回も山を越えていきたいと思います。