PRESIDENT BLOG

2020.11.09 経営のこと

変えていいもの、変えてはいけないもの

コロナ禍は、我々に変化を求めています。弊社でも、大きい変化を決断しました。特に働き方です。弊社の場合でもコロナ禍前から、サテライトオフィスの規定などを就業規則に追加するなど、働き方の変更においても、まったく考慮しないわけではなかったです。ですから、コロナ禍で在宅が増えても、ベースがあったので良かったと思っています。

ただ、コロナ禍前は、そこまで積極的でもなかったというのも事実です。世の中の状況をみて、やってみて生産性などを確認しながら徐々に取り入れていくという方針でした。

ところが、コロナ禍がそれを吹っ飛ばしました。コロナ禍はある意味、変化を早くしているという側面があります。世の中の状況を考え、うちの業態や、今後の男女平等の働き方、将来のことなどを考え、ノマド化を積極的に取り入れるよう舵を切りました。

もうひとつ、最近、給与体系を成果給に移行しようという日本の大きい流れもあります。グローバルスタンダードでいうと、成果主義というものに世界的になっていっているというのは、その通りだと思います。

ですから、成果的要素の幅が広くなるというのは避けられないでしょうね。ですが、完全成果給にしてよいか?これは日本の社会情勢も考えないといけないですし、それ以上に、その会社の考え方をも変えることでもあると思います。

前者は、アメリカのようにキャリアだけを見る社会であれば、いいでしょうが、日本の場合は、まだまだ、そうではないというのもあります。

後者は、むしろ、こちらの方が大事なのですが、給与システムも管理会計システムも、会社の考え方、理念の中にあるものだと思っています。

弊社で言うとフィロソフィですね。成果主義を採用するということは、それがすべて狂ってくるということになります。例えば、『大家族主義』『実力主義』『仲間の為に尽くす』などです。他にもありますが、代表的なものとしてあげました。

会社の考えが社員がわからず、混乱していくところから会社というのは崩壊がはじまると思っています。そもそも、この成果主義の流れを経営的側面からみると、この低成長時代に人件費を抑えたいということがあると思います。

しかし、うちの場合は、社員の年齢構成が高度成長期と全く同じでピラミッド型です。この場合は、社員の給与を上げ続けていくために付加価値を毎年増やしていくしか道はありません。

このことに気づいたのは、もう12年ほど前です。人事考課の研修で、京セラさんの研修を受けた時、それまでは私も、どうして人件費を抑制するのかなと悩んでいたんですが、研修を受けて、覚悟が決まったんですね。成長し続けるしかないんだと。経営理念の全社員の物心両面の幸福にもそっています。

今後、日本の社会全体がもっと変化し、社会全体が、もっとドライになってアメリカ社会のようになるなら別だと思いますが、(そういう社会が来るのか疑問ですが・・)そうであっても、このようなフィロソフィがある以上、会社としては、ここは変えるべきでないところで変化に慎重になるべきだと思います。