PRESIDENT BLOG

2025.10.06 ブランディングのこと

社風の正体

私よく、「社長の話にうなずいてくれる方を70%にするまで、理念の浸透をすれば、あとは、オートマチックに、気にしなくても、そういう社風が維持される」とお話ししていますが、これは、自分の経験からお話ししていることですが、他の方とかも同じようなことをお話しされている方がいて、しかも、70%というのもだいたい同じような数字をおっしゃる方が多いです。なので、これについては真理かなと思っています。

それで、この社風について、人間の性能という観点から、その重要性をお話ししたいと思います。人間には、暗示感受習性というものがあります。それはなにかの暗示に人間は引きずられるという特性を持っています。そして、それは、多面暗示と自己暗示というのがあり、多面暗示の方が強烈な作用があるようです。

例えば、夜が更けてお酒を呑んでいて、一人があくびするとします。そうすると、また、もう一人があくびして、さらに、またもう一人があくびする。これを「あくびはうつるな」と笑って言う場合がありますが、これは移っているんじゃなく暗示なんですね。昔のオウム真理教のマインドコントロールも、この多面暗示の悪用だと思いますね。

だから、暗示というのは怖いものです。ですが、どうせ、暗示を受けるなら、良い方に暗示を受けた方がいいと思っています。暗示を受けない人はいないので。

それで、会社で、良い考えを共有しようとして、やりはじめるのですが、はじめは、それは暗示を受けないです。でも、それを社長自身が信じて、言っていることとやっていることを一貫してやっていくと効果がではじめます。良い考えなんで、当然結果はでるわけです。

そうすると、社員の方も、実体験として、その良い考え方で、やって効果がでるわけですから、信じるようになるという暗示のプロセスがあるわけですね。それが、70%までくると、社長がとやかくいわなくても、自然と良い考えが暗示として維持され、悪い考えに覆されることはないようになってきます。

ただ、ここです。
人の心は移ろいやすいです。今までは、良い考えであっても、何か、会社以外の時間や出来事でも、当然、暗示があるわけですから、悪い方に変わってしまうということが常にあります。

特に、悪い暗示は、中毒性があるんですよ。SNSなどでネガティブワードが乱発していますし、また、そのような中毒性のものを、連続してみてしまうということもあります。これは、マスコミの時代からそうだったのですが、それがSNSの時代になり加速しているんですね。

よほど、注意をしていないと、そのような悪い暗示を受けてしまうし、そのような悪い暗示が潜在意識に一杯ある状態で苦難を受けるとあっという間に善が悪に変わります。

善よりも悪の方が暗示の影響力が強いんですね。そういう悪の状態の人が会社にいると、そちらに知らず知らず暗示を受ける人も増えてくるんですね。

だから、常に、不断の努力で、組織に良い考えを注入していく必要があります。これは、組織だけでなく、トップとして自分のためでもありますし、社員の幸福のためでもあります。

だから、このマイナスの考えがある人にとらわれてはいけませんが、放置してもいけないです。常に、その人にも、プラスになるように努力して、他に悪影響を与えそうなら、それは止めさせないといけません。

この暗示の感受習性ということがわかることで、磁場を持つとか、社風がいいとか、良い社風には良い人が集まるとか、逆に、良い社風が悪くなるとかが理解しやすくなるのかなと思います。