PRESIDENT BLOG

2023.12.11 経営のこと

経営者としての器

稲盛さんが、よく、「会社は経営者の器以上にはならない」と言っていました。しかし、この「経営者の器」ということの定義があいまいです。

私は、「器」とは、志(願望、理想)の大きさと、それに対して果敢に挑戦できる勇気、実行力のようなものと思っています。

稲盛さんは、「経営を伸ばしたいと思うなら、心を高めなさい」と言っていました。正しい志をたてること、勇気を持つこと実行する中で困難を乗り越えるために心を高めないといけないので、当然、器も大事になってきます。ただ、「器」=「人間の価値」かというと、そうではないのかなと思っています。

もし、そうなら、経営者でない方は価値がないのかというとそうではないですよね。それはあくまで、役割だと私は思っています。

これも稲盛さんなんですが、よく、市民セミナーといって経営者以外の一般の人にもセミナーを開催されていましたが、そこでは「人間としての一番の価値は優しさなんですよ」と言っていました。

わかりやすく言うと、サッカーの監督は、戦略・戦術の他に人を引っ張るリーダーシップ、人格がいりますよね。でも、選手はどうですか?もちろん、必要は必要ですけど、監督ほど必要度はないですよね。でも、選手と監督と比較してどっちが価値とも言えないじゃないですか。あくまでも役割が違うので。それと一緒だと思います。

私はたまたま経営者という職に縁があり就きました。なので、器というのが必要ですね。でも、どの職であっても、自分が与えられた職・仕事に対して一生懸命にするということが、何よりも、人生の価値かなと思っています。与えられたというのは、誰かに無理に与えられたということでなく縁あってという意味です。

その縁があって出会った仕事の中で人格を高める機会は、それぞれ求められることは違いますが、必ずあるように、この世の中はできているんだと思いますね。