PRESIDENT BLOG

2023.06.12 イノベーションのこと

若さと変化について

グローバルサウスという言葉を知っていますか?要は簡単にいうと開発途上国で、これから発展する国のことなんですが、具体的に言うと、ブラジル、インド、メキシコ、ナイジェリアというような国です。

これらの国に共通するのは、人口ボーナスの国ということです。例えば、インドは中国を抜いて、来年あたり世界一の人口になると
言われていますが平均年齢は29歳とのことです。逆に、日本は典型的な人口オーナスの国でしょうね。少子高齢化なので。世界のZ世代の割合は32%と言われていますが、日本では15%です。

人口が多いとGDPが増えるという単純な要素と、若者がもつ活力、変化しようという力も違うのかなと思います。例えば、デジタル化において日本が遅れているというのも、こういうことが影響しているのかなと思います。リープフロッグ(イノベーションプロセスを飛び越えること)が成長を飛躍的に推進するという側面もありますがそれも心が影響しているでしょうからね。

シュンビンは、衰退企業から変化していった会社です。それでなぜ、ここまで変化できたのかという取材を受けることがあるというのは前に申し上げた通りです。そのときには、あえて申し上げなかったのですが、その要素の一つに、私が社長に就任した時、若かった(当時35歳)というのもあるのかなと思います。

例えば、今、56歳ですが、現在であの状況なら、あのときのようにチャレンジしていたか?と言われると、正直、難しかったんじゃないかなと思います。そういう意味では、若さと変化というのは、密接に関係しているのかもしれません。自分自身の体験からも、そう思います。

日本も低成長で、その原因がイノベーションが起こっていないとよく言われます。ですが、では不幸か?と言われるとそうではないですし、日本で生まれ育ったことで、なんら不便なく暮らせていますし、これ以上、良い生活をしたいというガッツも、多分、発展途上国よりはないのだろうと思います。一般論ですが・・

私は、このような経営人生を歩ませていただいたので、恐らく、変化に対して怖さが他の経営者の方よりは少ないと思います。ですが、冷静に自分を振り返っても、やはり、変化に対して、踏み込めなくなってきていると思います。これは事業だけでなく私生活においても。

それが、でも、経営にも影響していると思うんです。日本は、日本の良さを活かさないといけません。やはり、高齢者が多いなら知恵を活かすべきだとは思います。ただ、変化に対しては、若い人を中心に権限を渡すというのも一つかなと最近は思い始めています。要は、その特性によって変えればいいわけですから。

日本の経営者の平均年齢は1990年は54歳だったらしいですが、今は60歳を超えたようですね。私の経営者仲間も、死ぬまでするんだという人が多いです。実際、みんな元気ですからね。でも、それだと、変化に対して、慎重な会社にどうしてもなってしまうような気がします。

若い人のイノベーティブなことを活かすような組織体制ができ、経験を積んだ方との良い意味での役割分担ができる、そのような組織体制というのも今後、考えていってもいいのかなと思っています。それが、うちだけでなく日本に課せられた道でもあるかもしれません。