PRESIDENT BLOG

2022.04.25 その他

不景気の正体

今、日本経済がスタグフレーションに陥りそうになっていると言われていますね。スタグフレーションとは、景気後退の中でインフレが起こっていることです。さらに怖いのは、円安が進行していることで、物価がさらに上がるリスクです。そのことにより、さらに景気が悪くなる可能性があります。

直接的には、コロナ禍で景気が戻ってないところで、ウクライナの戦争があり、原油などが値上がりしていることで、物価が上がっている。アメリカが景気がよくなってインフレになっていて、アメリカが金利を上げることで、ドルが買われ、円が売られ、そのことにより、輸入品の物価も上がってるというのが原因です。

でも、それは本質的ではないでよね。アメリカもEUも他の国もインフレ気味かもしれませんが、成長もしているし給与も上がっていますよね。日本が問題なのは、インフレで物価が上がっているが給与が上がっていないということです。

なぜ?を繰り返せば本質的な答えに行き着くといいますから、やってみたいと思います。

他国はインフレではあるが、給与も上がっているといいました。では、日本は、なぜ給与が上がっていないのか?それはやはり景気が上がっていないということだと思います。

では、なぜ、景気が悪いのか?日本は、バブル崩壊後、30年間、世界経済が成長する中で取り残されていますよね。それは、イノベーションが起きていないということだと思います。スマホもアプリもほとんど他国のものですし、唯一勝っている車も、今後、EV車になり、厳しい状況になるでしょう。これは何も最先端のことだけではないです。日本全体に変革を恐れる保守的な考えがはびこってしまっています。

では、なぜ、日本は変革を恐れるのでしょうか?戦後は、そうではなかったですし、もっと遡ると、明治維新でアジアでもっとも早く近代化したのは日本ですし、戦国時代はイノベーションが起こっていて、アジアでは強国で、経済も強かったです。

ここからは私の独断と偏見なのですが、私はやはり高齢化ではないかなと思っています。先進国は皆そうではないかと言われそうですが、アメリカは出生率も高く、移民もある程度はいれていますよね。EUも東ヨーロッパを取り込んでいっていますから、個々の国でみると高齢化していますが、EUでみるとまだまだ成長していると思います。そう考えるとウクライナも、そういう経済の流れが見えてきます。

なぜ、そう思うかというと、いきなり小さい例で申し訳ないですが、例えばうちの会社は、平均年齢35歳なんですね。そうすると毎年社員の給与が上がっていきます。ですから、日本全体が101%であっとしても、うちは、毎年110%でいかないといけないんですね。毎年110%でいこうとしようとすると、やはりある程度リスクをとってしないといけないじゃないですか。

でも、日本のほとんどの会社は、日本の人口構成と基本同じでしょうから、給与も101%でもいいわけですよね。辞める人も入る人もいるという感じで。経営者は101%でも社員を食わしていけるならリスクは負わないと思います。110%しようとすれば、リスク負ってイノベーティブなことをしようとしますが、そういう気持ちであれば110%できるもんなんですね。でも、101%でいいと思っている人が110%になることはないです。経済は心がつくっています。

つまり、日本人が保守的になったというのは、元々のDNAもありますがそれ以上に、この人口構成が影響していると思います。では、高齢化はこれからも進行するし、移民を増やすのは日本社会では許容されないでしょうから、このまま日本はダメになるか?それは私もわかりません。でも私も経営者として現実的には、そうなる可能性も考えないといけないですし、例えそうなっても、やっていけるようにしないといけません。

また、だからこそ、数少ないチャレンジしようとする人を支援したいとも思います。あまり政治的なことはいいたくはないので、施策などは差し控えたいですが、考え方だけお話しさせていただくと、起業家精神に資することに対する、なんらかのリスクの低減を社会としても考えた方がいいかもしれません。今の日本社会は、経営者へのリスク依存が大きすぎる気がします。これでは、誰も経営者になろうしないのではないかと思います。