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mine プロジェクト

水と日本酒、安曇野と京都の運命的な出会い

mine プロジェクト

日本酒業界の常識を覆すプロジェクト
安曇野ミネラルウォーター様は、天然水の販売を主事業とされる会社です。
高い品質基準でコンビニやドラックストアにペットボトル入りミネラルウォーターを納入するなど、順調に事業を伸ばしておられます。
安曇野の水は、海抜3000メートル級の山々が連なる北アルプスから生み出される水。約30年の歳月をかけて天然のフィルターでろ過された水は、厳しい品質管理のもとボトリングされ消費者の手元に届けられます。

この天然の資源は無限にあるわけではありません。経営者である新井社長は「限りある資源を繋いでいくために、水の価値を高めていきたい」という想いを抱くようになりました。
多くの選択肢から選ばれたのは、水の力を活かした日本の伝統文化・日本酒とのコラボレーション。

実はこのプロジェクトは、日本酒業界の常識を覆すチャレンジです。
それは「安曇野の水を使って、京都の酒蔵で日本酒を造る」というもの。
古くから日本酒造りは地産地消が基本。水も設備も、現地のものを使うのが当たり前です。

水は日本酒の原材料のほとんどを占め、その味わいにより造り方も大きく変わります。
安曇野ミネラルウォーター様はもちろん、お酒造りを担当する京都の招德酒造様にとっても挑戦的なプロジェクトとなりました。
安曇野の水と、京都の伝統技術が、運命的に出会う
お酒の質はもちろんのこと、視覚的にもこのチャレンジの価値をユーザーに伝えるため、関係者全員で約20時間に渡るブランディングのワークショップを実施。
メインターゲットを「人生を楽しく挑戦する場と捉える、ベンチャースピリッツを持つ女性ビジネスパーソン」と定め、デザインとパッケージの制作を進めました。

生まれたネーミングは「mine(ミネ)」。
アルプスの峰、最高峰を目指す新井社長の姿勢、ミネラルウォーターであること、そしてチャレンジを続ける私のパートナー、という複合的な想いを込めたネーミングとなりました。

デザインは水の揺らめきと山の稜線を合わせ、自然の荘厳さと水の魅力を感じていただくことを目指しました。
ブランドを体現するメッセージは「SAKE MEETS WATER」。
本来つながることのない安曇野の水と、京都の伝統技術が、まるで恋人のように運命的に出会う。
取り組みの価値を、海外まで伝えていくことを意識したコンセプトです。
強い想いを高い解像度で具現化できたからこそ愛される商品に
本プロジェクトのポイントは、デザイナーを中心としたプロジェクトチーム全員で協力し、新井社長の想いを高解像度で具現化したこと。
ネーミング、パッケージ、リーフレットなど、一つひとつのクリエイティブを、経営者の想いを伝えるアイコンと解釈しました。より深く、強く想いを伝えるために、関係メンバーで議論を重ねた点がクリエイティブの価値を底上げしました。

滑り出しは好調で、プレ販売時から想いを同じくする各業界の著名人からご紹介いただくなど、早々に注目を浴びることに。
経営者自身の物語まで内包したデザインは、それ自体が語り部となり、多くの方にブランドのストーリーを伝えていきます。
2022年7月からは、自社オンラインショップと限られた飲食店様のみで数量限定販売。
コアターゲットである女性ビジネスパーソンから「こんなお酒が欲しかった」「とても飲みやすい」と、まさにデザインの狙い通りの感想をいただき、現在も順調に購入が伸びています。
PRODUCER:
Takahide Toyonishi
PLANNER:
Taishi Fujimoto
DESIGNER:
Hisamichi Kasai