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天山酒造株式会社 酒蔵のオフィス・店舗デザイン

リアルとオンラインの価値を引き出す新時代のオフィスデザイン

天山酒造株式会社 酒蔵のオフィス・店舗デザイン

長年の課題、コロナ禍で求められた新たな酒蔵のかたち
天山酒造様は、約10年前に事務所周りの改装に携わらせていただきました。
その際に、使われていない蔵の利用方法がないか、と今後の課題としてご相談を伺っていました。
時を経て、天山酒造様は海外への輸出も積極的でしたが、新型コロナウイルスの影響で
出張しての商談が全くできない状況になり、酒蔵の新しいかたちが求められるようになりました。
「オンライン商談の充実」と、「他の酒蔵との差別化を図る独自の天山らしさを体現したデザイン」
というご要望のもと、事業再構築補助金を活用したオフィス・店舗の改装をご提案させていただきました。
古き良き時代の資産を、現代的で洗練されたデザインへ昇華
「眠っていた資産と過去の良さを最大限に活かす」
これが私たちのオフィス・店舗デザインにおける一貫した考え方です。
このコンセプトをもとに、倉庫として使用していた蔵の空間を徹底的に改装しました。

まず、【シアタールーム】には大きなモニターを設置し30名規模のセミナーや商談を行えるようにしました。
空間上部にはステンドグラスを設置し、天山酒造様のアイデンティティを感じていただけるような空間を演出。

メインとなる【商談室】はオンライン会議ができるよう、10名程の参加が可能な空間へ。
オンラインでも天山酒造様の世界観を感じられるよう、バーチャル背景ではなくても映える内装へ改装しました。

新たに設置した【バーカウンター】は、重要なお客様だけをご案内するVIPルーム。
入口は一般の方には分かりづらい工夫が施された特別な空間です。

実際に来店された方をお迎えする【大正蔵2F】は、
古い酒樽の収納場所であったところを美術館のようにライトアップ、写真撮影スポットも設置し体験価値を高めました。
新しい時代に合わせた天山酒造の魅力を伝える
今回のオフィスデザインにより、オンラインでの商談がスムーズになり、社長だけではなく
従業員皆様も気軽に使用できるようになりました。
シアタールームなど、イベント時にも使える空間が増え、動線が多く確保できたことにより
運営しやすい空間へと変わり、利用された従業員皆様からは「天山酒造のアイデンティティや考え方を演出した空間で
商談することができるようになった」とお声をいただいています。
また、リアルで訪問されたお客様には、さらなる体験価値を提供し喜んでいただけるようになりました。
オンラインでは体験できないBARや美術館のような大正蔵の2F、オブジェなど、実際に触れて感じていただくことで
より一層、特別な体験ができるように。
天山酒造様がその想いを具体的にお話いただき、私たちの考え方に賛同いただいたことで、
より良い空間デザインが生まれたと考えています。
従業員皆様が利用できるオンライン会議やイベント配信できる部屋を設置したことで、リアルでもオンラインでも、
誰もが天山酒造を伝える空間が生まれました。
また、以前より持っていた資産(使われていない空間)を徹底的にリノベーションしたことも大きなポイントです。
古道具などを活用することで、さらに空間に付加価値が生まれ、集客スペースから得られる感動も大きくなります。
天山酒造様の想いを、「今そこにある資源」を見直して再構築したことで、全国の酒蔵でも類を見ない
酒蔵体験ができるようになりました。
PRODUCER:
Shinsuke Kitamori
ARCHITECTURAL DESIGNER:
Osamu Tsuchino