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VINTAGIENCE ブランディング

熟成科学がいざなう、日本酒の未踏領域とは?

VINTAGIENCE ブランディング

比類なき熟成酒、三重から新たな価値を創造するために。
キャリアカーサービス様は、三重県津市で物流業をメインにして、レストラン「soprano」を運営するなど
様々な事業展開を広げておられます。三重出身の杉本社長は、伊賀市で創業180年続く
老舗酒蔵・森本仙右衛門商店株式会社様のご友人より、約30年眠っていた様々な熟成日本酒の販売に関して
ご相談を受けておられました。
〝地域貢献や、グループ全体のブランド価値向上につながる〟という想いで
本プロジェクトを始動されることを決意され、当社へご相談いただきました。
半生をかけて生まれた〝熟成のグラデーション〟
今回当社がご提案したのは「らしさブランディングラボ」という新たなサービス。
デザイナー笠井永充を中心としたクリエイティブチームが、キックオフからローンチまで、
お客様の事業全体を見渡しながら伴走し、研究所のように、息の長いブランドを作り上げていくようなサービスです。
まず始めに、ブランド構築ワークショップが実施されました。
およそ30年、さまざまな日本酒をマイナス4°Cの氷温や蔵外常温で保管し、熟成温度による味の違い、
時を経ることで生まれる味の変化を緻密に記録し、多岐にわたってテストや品質チェックされた熟成酒であることから
確立したブランドコンセプトは「Vintage Science」
そこから「VINTAGIENCE(ヴィンテージエンス)」というブランド名が浮かび上がりました。

ロゴタイプは、クラシックな書体のエレガンスさと、モダンな書体の洗練された印象を融合し、
古さと新しさを併せ持った書体を設計。「熟成」と「科学」が共存するブランドのアイデンティティを表現しています。
また、シンボルマークは、長寿を象徴する日本の伝統紋様「亀甲」と分子結合を表す際に用いられる
「構造式」に共通する六角形をモチーフにしたデザインです。分子レベルでの基礎作りを行い、
さまざまな温度条件下で長い時間眠らせたVINTAGIENCEの特性を象徴しています。

ラベルは、デザインコンセプトである「熟成のグラデーション」を表現。これは、長い年月と科学的な熟成方法、
そして酒造家の情熱が混ざり合う様子を可視化したものです。説明不可能な色と色の複雑な混ざり合いによって
鮮烈なインパクトを与え、それぞれのグラフィックに連動した情景を表すネーミングを掛け合わせることで
見る人の想像力をさらに掻き立てます。
また、ブランドの頭文字”V”を時計の短針と長針に見立てデザインに組み込むことで、熟成が進んでいく
商品特性を表現しました。シリーズ全体を通して一貫したブランドイメージを打ち出すアイコンとして機能させています。

商品写真や、Webサイト、オンラインストア、ブランドブックなど、すべてのブランドアイテムのディレクションと制作を
笠井が手掛け、最後まで伴走することによって、一貫したブランドの世界観に仕上げています。
時の流れと科学が生み出す唯一無二のヴィンテージ日本酒、解禁。
ブランディングデザインとは、見え方のコントロール。言い換えると、
そのブランドの「らしさ」に合わせた服を着せること。
本プロジェクトのポイントは、半生をかけて熟成酒に向き合う蔵人・森本様と、
杉本社長の想いを深く伺い、本質的な魅力を引き出し、デザイナー笠井を中心にした
クリエイティブチームがひとつのストーリーとして、ブランドの世界観を共に創りあげることにありました。

2023年11月「VINTAGIENCE(ヴィンテージエンス)」は販売開始。
発売後は、試験的にテストマーケティングを兼ねながら、関西以外でも
イベントへの出展などブランド認知を徐々に拡めています。

デザインの評価では、世界的なデザインコンペティションの1つである
イタリアの「A’ Design Award & Competition 2023-2024」にてシルバーを受賞しました。

ブランドが成長し長く愛され続けるために、今後も継続的にサポートさせていただきます。
PRODUCER:
Takahide Toyonishi
PLANNER:
Kenji Nakajima
DESIGNER:
Hisamichi Kasai
WEB DIRECTOR:
Hisashi Kobayashi
WEB DESIGNER:
Hisamichi Kasai