PRESIDENT BLOG

2021.08.16 経営のこと

ティール組織

『ティール組織』とは、フレデリック・ラルーという方が出版した最新の組織論です。ティールというのは、色のことなんですね。ラルー氏は、組織は5段階に進化していっているといいます。

最初は、人を恐怖で統制(レッド)していたところから、権威で統制する(アンバー)ようになり、マネジメントで目標管理される(オレンジ)ようになり、多様性が尊重される組織(グリーン)になり、最新のティール組織に変化していくということです。

ただ、前の段階を内包しながら進化するので必ずしも会社が一つの段階に収束できるものではないらしいですね。さて、ラルー氏は『ティール組織』に進化している組織を世界中から探し、その共通点について下記のようにあげています。

・ミッションを掲げ、利益よりもミッションを重視している組織である
・大胆な権限移譲をおこない、すべて現場で判断させる。小集団(12名ほど)のチームで分け、採用も、購買も、経営企画も現場がする。つまり本社機能が極端に少ない。
・中間管理職がなく、アドバイスをする人はいるが決定権は現場にある。
・ただ、判断の仕方だけ現場に教える人がいる。
・ミッションはあるが、目標はなく、数字のトレースもない。
・すべてのものがガラス張りになっていて、給与も自己申告で決定する。周囲もその給与がオープンになっているので、そんなに上振れしない。
・人間性を大事にし、生活と仕事を分離しない。仕事にもよりますが、子供やペットを連れてもOKというところもある。

『ティール組織』のメタファは、生命体ということで、組織の存在目的(ミッション)に合わせて、組織が自主的に進化しつづけます。

一つの事例として上げられてたオランダの介護の会社は、7年前に、既存の介護会社に不満があり、スピンアウトして10名ほどで創業した会社が、今、オランダの70%のシェアがあるということも言っていました。

中間管理職がない、目標がないというのを聞いた時点で、少し前までの自分なら興味も示さなかったと思いますが、自分の会社の経営をするにあたって変化してきたこともあります。

例えば、目標はあるのですが、かなり、現場任せになっていて、自分はアドバイスしかしないで、できるだけ現場で判断していくというふうに、リーダーシップが変化してきています。また、コロナ後、在宅で子供やペットと同じ空間で仕事をするということも許容するようにもなってきているなど。そういうこともあったので勉強してみようとなったと思います。

一方で、進化論的な考えは、昔、マルクスの共産主義の失敗もあったので100%手放しで賛成できないような気もします。

内容については、すごい斬新で、組織的なことなので、今すぐには全てを変えれないとは思いすが、今後、働き方も大きく変わっていく中で一つの未来予想の組織論として参考にしたいと思います。